衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2021年10月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

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衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2021年10月)

ここでは、2021年(令和3年)10月公表の過去問のうち「労働衛生:一般(有害業務に係るもの以外のもの)」の10問について解説いたします。
この過去問は、第1種衛生管理者、第2種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、特例第1種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2021年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2021年10月)
衛生管理者の過去問の解説:関係法令:一般(2021年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2021年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2021年10月)



問11 一般の事務室における換気に関する次のAからDの記述について、誤っているものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

A 人間の呼気の成分の中で、酸素の濃度は約16%、二酸化炭素の濃度は約4%である。
B 新鮮な外気中の酸素濃度は約21%、二酸化炭素濃度は0.3~0.4%程度である。
C 室内の必要換気量(m3/h)は、次の式により算出される。
問11式
D 必要換気量の算出に当たって、室内二酸化炭素基準濃度は、通常、1%とする。

(1)A,B
(2)A,C
(3)B,C
(4)B,D
(5)C,D


答え(4)
A,Cは正しい。
Bは誤り。外気の二酸化炭素濃度は、0.03~0.04%程度です。
Dは誤り。必要換気量の算出に当たって、室内二酸化炭素基準濃度は、通常、0.1%とします。



問12 温熱条件に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)温度感覚を左右する環境要素は、気温、湿度及び気流であり、この三要素によって温熱環境が定まる。
(2)気温、湿度及び気流の総合効果を実験的に求め、温度目盛で表したものが実効温度である。
(3)WBGTは、暑熱環境による熱ストレスの評価に用いられる指標で、屋内では自然湿球温度と黒球温度の測定値から算出される。
(4)WBGT基準値は、熱に順化している人に用いる値の方が、熱に順化していない人に用いる値より大きな値となる。
(5)相対湿度とは、空気中の水蒸気分圧とその温度における飽和水蒸気圧との比を百分率で示したものである。


答え(1)
(1)は誤り。温度感覚を左右する環境条件は、気温湿度気流及びふく射熱の4つの要素によって決まります。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問13 照明、採光などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)北向きの窓では、直射日光はほとんど入らないが一年中平均した明るさが得られる。
(2)全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の5分の1程度としている。
(3)前方から明かりを取るときは、まぶしさをなくすため、眼と光源を結ぶ線と視線とがなす角度が、40°程度になるように光源の位置を決めている。
(4)照明設備は、1年以内ごとに1回、定期に点検し、異常があれば電球の交換などを行っている。
(5)部屋の彩色として、目の高さ以下は、まぶしさを防ぎ安定感を出すために濁色とし、目より上方の壁や天井は、明るい色を用いるとよい。


答え(4)
(1)(2)(3)(5)は正しい。
(4)は誤り。照明設備は、6か月以内ごとに1回、定期に点検しなければなりません。



問14 労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのバラツキの程度は、平均値や最頻値によって表される。
(2)集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
(3)健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、このようなデータを静態データという。
(4)健康診断において、対象人数、受診者数などのデータを計数データといい、身長、体重などのデータを計量データという。
(5)ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、それらの間に因果関係がないこともある。


答え(1)
(1)は誤り。生体から得られる諸指標は正規分布という型をとることが多く、そのバラツキの程度は、分散標準偏差によって表されます。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問15 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく腰痛予防対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)腰部保護ベルトは、重量物取扱い作業に従事する労働者全員に使用させるようにする。
(2)重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男性労働者が人力のみで取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。
(3)重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後1年以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。
(4)立ち作業の場合は、身体を安定に保持するため、床面は弾力性のない硬い素材とし、クッション性のない作業靴を使用する。
(5)腰掛け作業の場合の作業姿勢は、椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とする。


答え(5)
(1)は誤り。腰部保護ベルトについては、一律に使用させるのではなく、労働者ごとに効果を確認してから使用の適否を判断します。
(2)は誤り。満18歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね40%以下となるように努めます。
(3)は誤り。重量物取扱い作業、介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置または再配置する際およびその後6か月以内ごとに1回、定期に、次の項目について医師による腰痛の健康診断を実施しなければなりません。
(4)は誤り。床面が硬い場合は、立っているだけでも腰部への衝撃が大きいので、クッション性のある作業靴マットを利用して、衝撃を緩和します。
(5)は正しい。椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とします。また、必要に応じて、滑りにくい足台を使用します。



問16 出血及び止血法並びにその救急処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)体内の全血液量は、体重の約13分の1で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
(2)傷口が泥で汚れているときは、手際良く水道水で洗い流す。
(3)止血法には、直接圧迫法、間接圧迫法などがあるが、一般人が行う応急手当としては直接圧迫法が推奨されている。
(4)静脈性出血は、擦り傷のときにみられ、傷口から少しずつにじみ出るような出血である。
(5)止血帯を施した後、受傷者を医師に引き継ぐまでに30分以上かかる場合には、止血帯を施してから30分ごとに1~2分間、出血部から血液がにじんでくる程度まで結び目をゆるめる。


答え(4)
(1)(2)(3)(5)は正しい。
(4)は誤り。静脈性出血は、傷口からゆっくり持続的に湧き出るような出血です。
また、毛細血管性出血は、擦り傷など傷口から少しずつにじみ出るような出血です。



問17 虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)虚血性心疾患は、門脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。
(2)虚血性心疾患発症の危険因子には、高血圧、喫煙、脂質異常症などがある。
(3)虚血性心疾患は、心筋の一部分に可逆的な虚血が起こる狭心症と、不可逆的な心筋壊(え)死が起こる心筋梗塞とに大別される。
(4)心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が長時間続き、1時間以上になることもある。
(5)狭心症の痛みの場所は、心筋梗塞とほぼ同じであるが、その発作が続く時間は、通常数分程度で、長くても15分以内におさまることが多い。


答え(1)
(1)は誤り。虚血性心疾患は、動脈硬化や血栓等で冠動脈が狭くなり、血液の流れが悪くなることで起こります。冠動脈は、心臓の筋肉に酸素を送るために、心臓の外側を包み込むようにして走っている血管です。
なお、門脈は、消化管から肝臓に栄養素を送るための極めて重要な血管のことですが、ここでは関係ありません。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問18 細菌性食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)腸炎ビブリオ菌は、病原性好塩菌ともいわれる。
(4)サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した細菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
(5)ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。


答え(4)
(1)(2)(3)(5)は正しい。
(4)は誤り。サルモネラ菌は、感染型食中毒で、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒です。



問19 厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)ディスプレイ画面上における照度は、500ルクス以下となるようにしている。
(2)ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整してグレアを防止している。
(3)ディスプレイは、おおむね30cm以内の視距離が確保できるようにし、画面の上端を眼の高さよりもやや下になるように設置している。
(4)1日の情報機器作業の作業時間が4時間未満である労働者については、自覚症状を訴える者についてのみ、情報機器作業に係る定期健康診断の対象としている。
(5)情報機器作業に係る定期健康診断を、1年以内ごとに1回、定期に実施している。


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は適切。
(3)は適切でない。ディスプレイは、おおむね40cm以上の視距離が確保できるようにし、画面の上端が、眼と同じ高さか、やや下になるようにします。



問20 厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)この指針は、労働安全衛生法の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。
(2)このシステムは、生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用されるものである。
(3)このシステムでは、事業者は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものとして、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させる。
(4)このシステムでは、事業者は、安全衛生方針に基づき設定した安全衛生目標を達成するため、事業場における危険性又は有害性等の調査の結果等に基づき、一定の期間を限り、安全衛生計画を作成する。
(5)事業者は、このシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて調査及び評価を行うため、外部の機関による監査を受けなければならない。


答え(5)
(1)(2)(3)(4)は正しい。
(5)は誤り。労働安全衛生マネジメントシステムは、自主的活動であるため、外部の機関による監査を受けることは規定されていません。

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