衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2019年4月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

0742-93-4303

受付時間 10時~19時(土日祝休み)

衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2019年4月)

ここでは、2019年(平成31年)4月公表の過去問のうち「労働生理」の10問について解説いたします。
この過去問は、第1種衛生管理者、第2種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、特例第1種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2019年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2019年4月)
衛生管理者の過去問の解説:関係法令:一般(2019年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2019年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2019年4月)



問21 呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)呼吸運動は、主として肋(ろっ)間筋と横隔膜の協調運動によって胸郭内容積を周期的に増減し、それに伴って肺を伸縮させることにより行われる。
(2)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、内呼吸である。
(3)成人の呼吸数は、通常、1分間に16~20回であるが、食事、入浴及び発熱によって減少する。
(4)呼吸に関与する筋肉は、間脳の視床下部にある呼吸中枢によって支配されている。
(5)身体活動時には、血液中の窒素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。


答え(1)
(1)は正しい。肺自体に筋肉はありませんので、このように受動的に呼吸運動が行われます。
(2)は誤り。肺で行われるガス交換は、「外呼吸」です。
(3)は誤り。呼吸数は、食事、入浴、発熱、労働、運動、興奮などによって「増加」します。
(4)は誤り。呼吸中枢は、「延髄」にあります。
(5)は誤り。運動などの身体活動時には、筋肉中の酸素が消費され、二酸化炭素が多く発生します。すると血液中の「二酸化炭素」分圧が上昇し、これにより呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加します。



問22 心臓の働きと血液の循環に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)心臓の中にある洞結節(洞房結節)で発生した刺激が、刺激伝導系を介して心筋に伝わることにより、心臓は規則正しく収縮と拡張を繰り返す。
(2)体循環は、左心室から大動脈に入り、毛細血管を経て静脈血となり右心房に戻ってくる血液の循環である。
(3)肺循環は、右心室から肺静脈を経て肺の毛細血管に入り、肺動脈を通って左心房に戻る血液の循環である。
(4)心臓の拍動は、自律神経の支配を受けている。
(5)大動脈及び肺静脈を流れる血液は、酸素に富む動脈血である。


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は正しい。
(3)は誤り。肺循環は、右心室から「肺動脈」を経て肺の毛細血管に入り、「肺静脈」を通って左心房に戻る血液の循環です。



問23 体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)体温調節中枢は、脳幹の延髄にある。
(2)体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。
(3)寒冷な環境においては、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。
(4)計算上、体重70kgの人の体表面から10gの汗が蒸発すると、体温が約1℃下がる。
(5)人間は発汗のほかに、常時、呼気や皮膚表面からも水分を蒸発させており、この蒸発のことを不感蒸泄(せつ)という。


答え(5)
(1)は誤り。体温調節中枢は、間脳の「視床下部」にあります。
(2)は誤り。体温調節にみられるように、外部環境などが変化しても身体内部の状態を一定に保つ仕組みを「恒常性(ホメオスタシス)」といい、主に「神経系」と「内分泌系」により調節されています。
(3)は誤り。寒冷にさらされ体温が正常以下になると、体内の代謝活動が増加することにより熱の生産量を増やし、皮膚の血管が収縮して皮膚の血流量を減少し、「皮膚温を低下」させ人体からの放熱が抑制されます。
(4)は誤り。計算上、「100g」の汗が体重70kgの人の体表面から蒸発すると、気化熱が奪われ、体温を約1℃下げることができます。
(5)は正しい。



問24 血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)赤血球は、骨髄で産生され、寿命は約120日であり、血球の中で最も多い。
(2)血液中に占める赤血球の容積の割合をヘマトクリットといい、貧血になるとその値は低くなる。
(3)好中球は、白血球の約60%を占め、偽足を出してアメーバ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを貪食する。
(4)リンパ球は、白血球の約30%を占め、Tリンパ球やBリンパ球などの種類があり、免疫反応に関与している。
(5)ABO式血液型は、白血球による血液型分類の一つで、A型血液の血清は抗A抗体をもつ。


答え(5)
(1)(2)(3)(4)は正しい。
(5)は誤り。ABO式血液型は、「赤血球」の血液型分類の一つです。A型の血清は「抗B抗体」をもちます。



問25 消化器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)三大栄養素のうち糖質はブドウ糖などに、蛋(たん)白質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸とグリセリンに、酵素により分解されて吸収される。
(2)無機塩やビタミン類は、酵素による分解を受けないでそのまま吸収される。
(3)膵(すい)臓から十二指腸に分泌される膵液には、消化酵素は含まれていないが、血糖値を調節するホルモンが含まれている。
(4)ペプシノーゲンは、胃酸によってペプシンという消化酵素になり、蛋白質を分解する。
(5)小腸の表面は、ビロード状の絨(じゅう)毛という小突起で覆われており、栄養素の吸収の効率を上げるために役立っている。


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は正しい。
(3)は誤り。膵臓は、「消化酵素を含む」膵液を十二指腸に分泌するとともに、血糖値を調節するホルモンを血液中に分泌します。



問26 次のうち、正常値に男女による差がないとされているものはどれか。

(1)赤血球数
(2)ヘモグロビン量
(3)血小板数
(4)基礎代謝量
(5)ヘマトクリット値


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は男女差があります。
(3)は正しい。血小板数は、一般に男女差がありません。



問27 視覚に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)眼をカメラに例えると、虹(こう)彩はしぼりの働きをする。
(2)ヒトの眼は、硝子体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。
(3)角膜が歪(ゆが)んでいたり、表面に凹凸があるために、眼軸などに異常がなくても、物体の像が網膜上に正しく結ばないものを乱視という。
(4)網膜には、錐(すい)状体と杆(かん)状体の二種類の視細胞がある。
(5)視作業の継続により、前額部の圧迫感、頭痛、複視、吐き気、嘔(おう)吐などの眼精疲労を生じ、作業の継続が困難になることがある。


答え(2)
(1)(3)(4)(5)は正しい。
(2)は誤り。眼は、「水晶体」の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしています。



問28 ホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

A:ホルモン B:内分泌器官 C:はたらき
(1)A:セクレチン B:十二指腸 C:消化液分泌促進
(2)A:アルドステロン B:副腎皮質 C:血中の塩類バランスの調節
(3)A:パラソルモン B:副甲状腺 C:血中のカルシウムバランスの調節
(4)A:インスリン B:膵(すい)臓 C:血糖量の増加
(5)A:ガストリン B:胃 C:胃酸分泌刺激


答え(4)
(1)(2)(3)(5)は正しい。
(4)は誤り。インスリンは、膵臓から分泌され、血糖量を「減少」するはたらきをします。



問29 筋肉に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)筋肉は、神経から送られてくる刺激によって収縮するが、神経に比べて疲労しやすい。
(2)強い力を必要とする運動を続けていても、筋肉を構成する個々の筋線維の太さは変わらないが、その数が増えることによって筋肉が太くなり筋力が増強する。
(3)筋肉中のグリコーゲンは、筋肉の収縮時に酸素が不足していると、水と二酸化炭素にまで分解されず乳酸になる。
(4)筋肉が収縮して出す最大筋力は、筋肉の単位断面積当たりの平均値をとると、性差又は年齢差がほとんどない。
(5)荷物を持ち上げたり屈伸運動をするとき、関節運動に関与する筋肉には、等張性収縮が生じている。


答え(2)
(1)(3)(4)(5)は正しい。
(2)は誤り。強い力を必要とする運動を続けていても、筋線維の数は、大人になってからは増えないとされていますが、筋肉を構成する個々の「筋線維の太さが太くなる」ことによって、筋肉が太くなり筋力が増加します。



問30 睡眠に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)睡眠と覚醒のリズムのように、約1日の周期で繰り返される生物学的リズムをサーカディアンリズムといい、このリズムの乱れは、疲労や睡眠障害の原因となる。
(2)睡眠は、睡眠中の目の動きなどによって、レム睡眠とノンレム睡眠に分類される。
(3)コルチゾールは、血糖値の調節などの働きをするホルモンで、通常、その分泌量は明け方から増加し始め、起床前後で最大となる。
(4)レム睡眠は、安らかな眠りで、この間に脳は休んだ状態になっている。
(5)メラトニンは、睡眠に関与しているホルモンである。


答え(4)
(1)(2)(3)(5)は正しい。
(4)は誤り。レム睡眠では、眼球がキョロキョロ動き脳は覚醒に近い状態です。一方、「ノンレム睡眠」は安らかな眠りで、この間に「大脳は休んだ状態」になります。

講師のご紹介

講師写真

はじめまして。講師の奥田真史です。衛生管理者の講習会・通信講座なら私にお任せ下さい!
実務4年!講師14年!の実績があり、合格まで徹底サポートいたします!
いつでもお気軽にお問い合わせ下さい。私が対応いたします。
講師プロフィール
著書はこちら

サイドカバーデザイン
サイドバー電話
サイドバーメール
サイドバービデオ2022年版
サイドバービデオ2023年版
サイドバー決済
上に戻る