衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2026年4月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

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衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2026年4月)

ここでは、2026年(令和8年)4月公表の過去問のうち「労働衛生:一般(有害業務に係るもの以外のもの)」の10問について解説いたします。
この過去問は、第1種衛生管理者、第2種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、特例第1種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2026年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2026年4月)
衛生管理者の過去問の解説:関係法令:一般(2026年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2026年4月)
◆衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2026年4月)



問11 1,000人を対象としたある疾病のスクリーニング検査の結果と精密検査結果によるその疾病の有無は下表のとおりであった。このスクリーニング検査の偽陽性率及び偽陰性率の近似値の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、偽陽性率とは、疾病無しの者を陽性と判定する率をいい、偽陰性率とは、疾病有りの者を陰性と判定する率をいう。

問11表1

[A]偽陽性率(%) [B]偽陰性率(%)
(1)[A]16.0 [B]0.1
(2)[A]16.0 [B]1.2
(3)[A]16.8 [B]1.2
(4)[A]16.8 [B]22.2
(5)[A]20.1 [B]22.2


答え(4)
下の表(四分表)は、ある検査で、あるスクリーニングレベルを設定したときの検査法の有効性の指標を表すのに用います。

問11表2

偽陽性率と偽陰性率の指標の計算は次の通り行います。
・偽陽性率(%)=偽陽性/(偽陽性+真陰性)×100
・偽陰性率(%)=偽陰性/(真陽性+偽陰性)×100

四分表の値を代入して、それぞれ計算しましょう。

偽陽性率(%)=160/(160+795)×100
≒16.8

偽陰性率(%)=10/(35+10)×100
≒22.2

したがって、(4)偽陽性率は16.8%、偽陰性率は22.2%が正解です。



問12 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、カンピロバクターによるものなどがある。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(4)腸炎ビブリオ菌は、病原性好塩菌ともいわれる。
(5)ノロウイルスの失活化には、煮沸消毒又は塩素系の消毒剤が効果的である。


答え(1)
(1)は誤り。カンピロバクターは、感染型食中毒の原因菌です。毒素型食中毒は、黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌で起こる食中毒です。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問13 一次救命処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)一次救命処置は、できる限り単独で行うことは避け、大声で周囲に呼びかけ、応援を求める。
(2)傷病者の胸と腹部の動きを観察し、胸と腹部が上下に動いていない場合やよくわからない場合には、心停止とみなし、心肺蘇(そ)生を開始する。
(3)胸骨圧迫は、胸が約5cm沈む強さで胸骨の上半分を圧迫し、1分間に100~120回のテンポで行う。
(4)気道を確保するためには、片手で額を押さえながら、もう一方の手の指であご先を上に引き上げるようにする。
(5)AED(自動体外式除細動器)を用いた場合、電気ショックを行った後や電気ショック不要の音声メッセージが出たときは、胸骨圧迫を再開し、心肺蘇(そ)生を続ける。


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は正しい。
(3)は誤り。胸骨圧迫は、胸が約5cm沈む強さで胸骨の下半分を圧迫し、1分間に100~120回のテンポで行います。胸骨の「上半分」ではありません。



問14 温熱条件に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)温度感覚を左右する環境要素は、気温、湿度、気流及びふく射(放射)熱である。
(2)実効温度は、人の温熱感に基礎を置いた指標で、気温、湿度及び気流の総合効果を温度目盛りで表したものである。
(3)相対湿度は、空気中の水蒸気量と、その温度における飽和水蒸気量との比を百分率で示したものである。
(4)WBGTは、自然湿球温度、黒球温度及び気温(乾球温度)から求められる指標で、暑熱環境による熱ストレス評価に用いられる。
(5)算出したWBGTの値が、作業内容に応じて設定されたWBGT基準値未満である場合には、熱中症が発生するリスクが高まる。


答え(5)
(1)(2)(3)(4)は正しい。
(5)は誤り。算出したWBGTの値が、作業内容に応じて設定されたWBGT基準値を超える場合には、熱中症が発生するリスクが高まります。WBGT基準値「未満」ではありません。



問15 厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づく健康保持増進対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)健康保持増進措置は、主に生活習慣上の課題を有する労働者の健康状態の改善を目指すために個々の労働者に対して実施するものと、事業場全体の健康状態の改善や健康保持増進に係る取組の活性化等、生活習慣上の課題の有無に関わらず労働者を集団として捉えて実施するものがある。
(2)健康保持増進に関する課題の把握や目標の設定等においては、労働者の健康状態等を客観的に把握できる数値を活用することが望ましい。
(3)健康測定の結果に基づき行う健康指導には、運動指導、メンタルヘルスケア、栄養指導、口腔(くう)保健指導、保健指導が含まれる。
(4)健康保持増進対策の推進に当たっては、事業者が労働者等の意見を聴きつつ事業場の実態に即した取組を行うため、労使、産業医、衛生管理者等で構成される衛生委員会等を活用する。
(5)医療保険者と連携したコラボヘルス等の労働者の健康保持増進対策を推進するためであっても、定期健康診断の結果の記録等、労働者の健康状態等が把握できる客観的な数値等を医療保険者に提供してはならない。


答え(5)
(1)(2)(3)(4)は適切。
(5)は適切でない。データヘルス(医療データを活用した健康管理)やコラボヘルス(事業者と医療保険者が連携して行う健康づくり)等の労働者の健康保持増進対策を推進するため、定期健康診断の結果の記録等、労働者の健康状態等が把握できる客観的な数値等を医療保険者に共有することが必要です。



問16 骨折に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)単純骨折とは、骨にひびが入った状態をいう。
(2)不完全骨折では、骨折端どうしが擦れ合う軋轢(あつれき)音や変形などが認められる。
(3)骨折が疑われる部位は、よく動かしてその程度を判断する必要がある。
(4)骨折に対する処置として、副子を手や足に当てるときは、骨折部分の上下の関節まで固定できる長さで、かつ、幅の広いものを用いる。
(5)脊髄損傷が疑われる場合は、硬い板の上に乗せて搬送してはならない。


答え(4)
(1)は誤り。骨にひびの入った状態を不完全骨折といい、骨が完全に折れている状態を完全骨折といいます。
(2)は誤り。完全骨折では、骨折端どうしが擦れ合い、動かすとギシギシという軋轢音、変形などが認められます。
(3)は誤り。骨折が疑われる部位は、動かしてはなりません
(4)は正しい。副子の当て方として、骨折部の上下関節まで固定できるものが適切です。
(5)は誤り。脊髄損傷が疑われる場合は、骨折部にズレがないように、傷病者を硬い板の上に乗せて搬送します。



問17 脳血管疾患及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)虚血性の脳血管疾患である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳塞栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳血栓症に分類される。
(2)高血圧性脳症は、急激な血圧上昇が誘因となって、脳が腫脹(ちょう)する病気で、頭痛、悪心、嘔(おう)吐、意識障害、視力障害、けいれんなどの症状がみられる。
(3)虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。
(4)虚血性心疾患は、心筋の一部分に可逆的な虚血が起こる狭心症と、不可逆的な心筋壊(え)死が起こる心筋梗塞とに大別される。
(5)運動負荷心電図検査は、虚血性心疾患の発見に有用である。


答え(1)
(1)は誤り。脳塞栓症と脳血栓症の説明が逆になっています。
脳血栓症脳血管自体の動脈硬化性病変によるもので、脳塞栓症心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞するものです。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問18 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく、重量物取扱い作業における腰痛予防対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)著しく重心の偏っている荷物は、その旨を明示する。
(2)労働者全員に腰部保護ベルトを使用させる。
(3)満18歳以上の男性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね40%以下とする。
(4)床面などから荷物を持ち上げる場合には、片足を少し前に出し、膝を曲げ、腰を十分に降ろして当該荷物をかかえ、膝を伸ばすことによって立ち上がるようにする。
(5)当該作業に配置する際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、腰痛の健康診断を実施する。


答え(2)
(1)(3)(4)(5)は正しい。
(2)は誤り。腰部保護ベルトは、個人により効果が異なるため、一律に使用するのではなく、個人ごとに効果を確認してから使用の適否を判断することとされています。



問19 事務室内において、空気を外気と入れ換えて二酸化炭素濃度を1,000ppm以下に保った状態で、在室することのできる最大の人数は次のうちどれか。
ただし、外気の二酸化炭素濃度を400ppm、外気と入れ換える空気量を600m3/h、1人当たりの呼出二酸化炭素量を0.018m3/hとする。

(1)14人
(2)16人
(3)18人
(4)20人
(5)22人


答え(4)
作業場内で衛生管理上、入れ替える必要がある空気量を必要換気量と言い、1時間の空気量で表します。
必要換気量の計算式は次の通りです。

問19式

「在室することのできる最大の人数」をNとすると、次のような算出式となります。

600[m3/h]=0.018N[m3/h]÷(1,000[ppm]- 400[ppm])×1,000,000

0.018N×1,000,000=600×600

18,000N=360,000

N=20

したがって、「在室することのできる最大の人数」は、(4)20人となります。



問20 採光、照明などに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)照度の単位はルクスで、1ルクスは光度1カンデラの光源から10m離れた所で、その光に直角な面が受ける明るさに相当する。
(2)高齢者は、若年者に比較して、一般に、高い照度が必要であるが、水晶体の混濁により、まぶしさを感じやすくなっている場合もあるので、注意が必要である。
(3)部屋の彩色に当たり、目の高さから上の壁及び天井は、まぶしさを防ぐため濁色にするとよい。
(4)前方から明かりをとるとき、目と光源を結ぶ線と視線とが作る角度は、30°以下になるようにする。
(5)全般照明の照度は、作業面の局部照明による照度の10分の1以下になるようにする。


答え(2)
(1)は誤り。照度の単位はルクスで、1ルクスは光度1カンデラの光源から1m離れた所で、その光に直角な面が受ける明るさに相当します。「10m」ではありません。
(2)は正しい。
(3)は誤り。部屋の彩色として、目の高さ以下の壁面は、まぶしさを防ぎ安定感を出すために濁色を用い、目より上方の壁や天井は、照明効果を良くするため明るい色を用います。
(4)は誤り。前方から明かりをとるときは、まぶしさをなくすため、眼と光源を結ぶ線と視線が作る角度は、おおむね30°以上になるようにします。「30°以下」ではありません。
(5)は誤り。全般照明による照度は、局部照明による照度の10分の1以上にします。「10分の1以下」ではありません。

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