衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2014年10月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

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衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2014年10月)

ここでは、2014年(平成26年)10月公表の過去問のうち「労働衛生:一般(有害業務に係るもの以外のもの)」の10問について解説いたします。
この過去問は、第一種衛生管理者、第二種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、特例第一種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2014年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2014年10月)
衛生管理者の過去問の解説:関係法令:一般(2014年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2014年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2014年10月)



問11 事務室における必要換気量Q(m3/h)を算出する式として、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、AからDは次のとおりとする。

A 室内二酸化炭素濃度の測定値(%)
B 室内二酸化炭素基準濃度(%)
C 外気の二酸化炭素濃度(%)
D 在室者全員が呼出する二酸化炭素量(m3/h)

(1)Q = D × A/B
(2)Q = D × B/C
(3)Q = D/(A-B) × 100
(4)Q = D/(A-C) × 100
(5)Q = D/(B-C) × 100


答え(5)
作業場内で衛生管理上、入れ替える必要がある空気量を必要換気量と言い、1時間の空気量で表します。
必要換気量の計算式は「在室者全員が呼出する二酸化炭素量」を「室内二酸化炭素基準濃度」から「外気の二酸化炭素濃度」で引いたもので割って求めます。



問12 WBGT(湿球黒球温度)に関する次の文中の[  ]内に入れるAからCの語句の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。

「WBGTは、労働環境において作業者が受ける暑熱環境による熱ストレスの評価を行う簡便な指標で、その値は次の式により算出される。
屋外で太陽照射のある場合:
WBGT = 0.7 ×[ A ]+ 0.2 ×[ B ]+ 0.1 ×[ C ]
屋内の場合又は屋外で太陽照射のない場合:
WBGT = 0.7 ×[ A ]+ 0.3 ×[ B ]」

(1)[A]自然湿球温度 [B]黒球温度   [C]乾球温度
(2)[A]自然湿球温度 [B]乾球温度   [C]黒球温度
(3)[A]乾球温度   [B]黒球温度   [C]自然湿球温度
(4)[A]乾球温度   [B]自然湿球温度 [C]黒球温度
(5)[A]黒球温度   [B]自然湿球温度 [C]乾球温度


答え(1)
WBGTは、「屋外で太陽照射のある場合」と「屋内の場合又は屋外で太陽照射のない場合」で計算方法が異なります。
「屋外で太陽照射のある場合」には、乾球温度を加味する必要があります。
なお、このときの乾球温度は、周りの風通しを妨げない状態で、ふく射熱による影響を受けないように感温部を囲って測定された乾球温度計が示す値となります。



問13 照明等の視環境に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)前方から明かりを取るときは、眼と光源を結ぶ線と視線とで作る角度が、30°以下になるようにするとよい。
(2)あらゆる方向から同程度の明るさの光がくると、見るものに影ができなくなり、立体感がなくなってしまうことがある。
(3)全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の10分の1以上になるようにする。
(4)照度の単位はルクスで、1ルクスは光度1カンデラの光源から1 m離れた所で、その光に直角な面が受ける明るさに相当する。
(5)室内の彩色で、明度を高くすると光の反射率が高くなり照度を上げる効果があるが、彩度を高くしすぎると交感神経の緊張を招きやすく、長時間にわたる場合は疲労を招きやすい。


答え(1)
(1)は誤り。この場合、眼と光源を結ぶ線と視線とで作る角度が、30°以上にしなければなりません。光源の明るさが眼に直接入らないようにするためです。
(2)は正しい。立体感がなくなると、モノをつかみ損ねたり、モノに躓いたりすることがあり危険です。
(3)は正しい。全体の明るさと、局部の明るさに差がありすぎると眼の疲労が大きくなります。
(4)は正しい。労働衛生管理上求められているのは、作業する手元の照度(明るさ)などになります。その場合はルクスを用いて管理していきます。
(5)は正しい。明度は色の明るさのことで、明度が高い色は白、低い色は黒です。一方、彩度は色の鮮やかさの尺度で、鮮やかな赤、青、緑は彩度が高く、無彩色は白、黒などです。
たとえば、床、天井、壁が真っ赤な部屋の中にいると、交感神経の緊張を招き、発汗しやすくなることが分かっています。



問14 厚生労働省の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に基づく措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)単純入力型又は拘束型に該当するVDT作業については、一連続作業時間が2時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に5~10分程度の作業休止時間を設けるようにする。
(2)書類上及びキーボード上における照度は、300ルクス以上になるようにする。
(3)ディスプレイ画面上における照度は、500ルクス以上になるようにする。
(4)ディスプレイ画面までの視距離は30 cm程度とし、画面の上端が、眼の高さよりやや上になるようにする。
(5)VDT作業従事者に対する特殊健康診断の検査項目は、眼疲労を中心とする「自覚症状の有無の検査」及び視力、調節機能等の「眼科学的検査」の2項目である。


答え(2)
(1)は誤り。単純入力型又は拘束型に該当するVDT作業については、一連続作業時間が『1時間』を超えないようにし、次の連続作業までの間に『10~15分』の作業休止時間を設けます。
(2)は正しい。
(3)は誤り。ディスプレイ画面が明るすぎると眼の負担が大きくなります。ですから、ディスプレイ画面上における照度は、『500ルクス以下』になるようにします。
(4)は誤り。ディスプレイは、おおむね『40 cm以上』の視距離が確保できるようにします。また、画面の上端が、『眼と同じ高さか、やや下』になるようにします。
(5)は誤り。VDT作業健康診断の検査項目は、2項目だけではありません。「業務歴」「既往歴」をはじめ、眼疲労を中心とする「自覚症状の有無の検査」や視力、調節機能等の「眼科学的検査」、上肢の運動機能検査等の「筋骨格系に関する検査」などがあります。



問15 厚生労働省の「職場における喫煙対策のためのガイドライン」に基づく喫煙対策の進め方に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)空間分煙による施設・設備面の対策としては、可能な限り、喫煙室を設置することとし、これが困難である場合には、喫煙コーナーを設置する。
(2)喫煙室又は喫煙コーナーに設置する喫煙対策機器としては、たばこの煙を除去して室内に排気する方式の空気清浄装置が最も有効であるので、これを設置し、適切に稼働させる。
(3)喫煙室又は喫煙コーナーからのたばこの煙やにおいの漏れを防止するため、非喫煙場所との境界において、喫煙室又は喫煙コーナーへ向かう気流の風速を0.2 m/s以上とするように必要な措置を講じる。
(4)職場の空気環境の測定を行い、浮遊粉じんの濃度を0.15 mg/m3以下及び一酸化炭素の濃度を10 ppm以下とするように必要な措置を講じる。
(5)妊婦及び呼吸器・循環器等に疾患を持つ労働者は、受動喫煙による健康への影響を一層受けやすい懸念があることから、空間分煙を徹底する等の配慮を行う。


答え(2)
(2)は誤り。喫煙対策機器として空気清浄装置が最も有効ではなく、ガス状成分を除去できない問題点があることに留意して対策を講じなければなりません。
(1)(3)(4)(5)は正しい。



問16 労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)生体から得られたある指標が正規分布という型をとって分布する場合、そのバラツキの程度は、分散や標準偏差によって表される。
(2)集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
(3)健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、一定期間に有所見が発生した者の割合を発生率という。
(4)ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、それらの間に因果関係がないこともある。
(5)労働衛生管理では、種々の検査において、正常者を有所見者と判定する率が低くなるようにスクリーニングレベルが高く設定されるため、有所見の判定の適中率が低い統計データとなる。


答え(5)
(1)は正しい。正規分布とは、左右対称の山型になる分布(グラフ)の事です。たとえば、身長の分布であれば小さい人から大きい人まで山型の分布になります。
(2)は正しい。分散とは値のバラツキの程度の事ですが、バラツキが異なる集団は異なった特徴を持つ集団と言えます。
(3)は正しい。有所見率は「ある時点のデータ」に基づき、発生率は「ある期間のデータ」に基づくのでそれぞれ違う意味として用いなければなりません。
(4)は正しい。たとえば、喫煙者と肺がん発生率に相関関係が認められていますが、煙草以外の要因で肺がんになるリスクもあることから、それらに因果関係がないという専門家もいます。
(5)は誤り。労働衛生管理では、種々の検査において、正常者を有所見者と判定する率が『高く』なるようにスクリーニングレベルが『低く』設定されるため、有所見の判定の適中率が低い統計データとなります。



問17 脳血管障害及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)脳血管障害は、脳の血管の病変が原因で生じ、出血性病変、虚血性病変などに分類される。
(2)出血性の脳血管障害は、脳表面のくも膜下腔に出血するくも膜下出血、脳実質内に出血する脳出血などに分類される。
(3)虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳塞栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳血栓症に分類される。
(4)虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。
(5)虚血性心疾患は、心筋の一部分に可逆的虚血が起こる狭心症と、不可逆的な心筋壊死が起こる心筋梗塞とに大別される。


答え(3)
(3)は誤り。それぞれの病名が逆になっています。脳血管自体の動脈硬化性病変によるものが『脳血栓症』で、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞するのが『脳塞栓症』です。
(1)(2)(4)(5)は正しい。



問18 熱傷の救急処置等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)熱傷の分類では、Ⅰ度が最も重症で、皮膚は白っぽくなったり、ただれてくる。
(2)水疱ができる程度の熱傷は、Ⅱ度に分類される。
(3)火傷部位が広くショックに陥ったときは、寝かせて頭部を高くする体位をとらせる。
(4)着衣の上からの熱傷では、まず着衣を脱がす必要があり、着衣の一部が皮膚に付着している場合は、直ちにこれを取り除く。
(5)熱傷面は、受傷後速やかに氷水などで冷却するが、特に熱傷の範囲が広い場合には、30分以上かけて、十分に体温が低下するまで冷却する。


答え(2)
(1)は誤り。熱傷の分類では、『Ⅲ度』が最も重症です。『Ⅰ度』ではありません。
(2)は正しい。Ⅱ度では、表皮の下の真皮層まで損傷が及び、水疱(すいほう)ができ、灼熱感(しゃくねつかん)が伴う状態になります。
(3)は誤り。火傷部位が広くショックに陥ったときは、寝かせて、30 cmほど足を上げて、心臓への血流の環流(流れ)を増す体位をとるようにします。
(4)は誤り。着衣の上から熱傷した場合は、無理に着衣を脱がさず、そのまま水をかけて冷やします。
(5)は誤り。広範囲の熱傷では冷やし過ぎにより過度に体温が低下しないように注意します。特に、幼児(小児)や高齢者の場合、全体を冷却し続けると容易に低体温となるおそれがあります。



問19 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)毒素型食中毒は、食物に付着した細菌が増殖する際に産生した毒素によって起こる食中毒で、黄色ブドウ球菌によるものなどがある。
(2)感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌によるものなどがある。
(3)O-157やO-111による食中毒は、ベロ毒素を産生する大腸菌による食中毒で、腹痛、出血を伴う水様性の下痢などの症状を呈する。
(4)ボツリヌス菌は、缶詰、真空パック食品など、酸素のない食品中で増殖し、毒性の強い神経毒を産生する。
(5)ノロウイルスは、手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖して、嘔吐、下痢、腹痛などの急性胃腸炎を起こすもので、夏季に集団食中毒として発生することが多い。


答え(5)
(1)は正しい。黄色ブドウ球菌の他、ボツリヌス菌、セレウス菌なども毒素型食中毒の原因菌です。
(2)は正しい。サルモネラ菌の他、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌なども感染型食中毒の原因菌です。
(3)は正しい。O-157やO-111は、赤痢菌(せきりきん)の毒素と類似の毒素を産生します。
(4)は正しい。ボツリヌス菌は酸素を嫌う嫌気菌の一種で、発症すると致死率が高いことで知られています。
(5)は誤り。ノロウイルスは、食品などを通して口から感染し、ヒトの腸管で増殖して、嘔吐、下痢、腹痛などの急性胃腸炎を起こします。
ただし、ノロウイルスは気温が低い方が活動しやすく、『冬季』に集団食中毒として発生することが多いです。



問20 一次救命処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)気道を確保するためには、仰向けにした傷病者のそばにしゃがみ、後頭部を軽く上げ、あごを下方に押さえる。
(2)反応はないが普段どおりの呼吸をしている傷病者で、嘔吐や吐血などがみられる場合は、回復体位をとらせる。
(3)人工呼吸が可能な場合、心肺蘇生は、胸骨圧迫30回に人工呼吸2回を繰り返して行う。
(4)胸骨圧迫は、胸が少なくとも5 cm沈む強さで胸骨の下半分を圧迫し、1分間に少なくとも100回のテンポで行う。
(5)AED(自動体外式除細動器)を用いた場合、電気ショックを行った後や電気ショック不要の音声メッセージが出たときは、胸骨圧迫を再開し、心肺蘇生を続ける。


答え(1)
(1)は誤り。気道を確保するには、仰向けに寝かせた傷病者の顔を横から見る位置に座り、片手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指先を傷病者のあごの先端にあてて持ち上げます。
(2)(3)(4)(5)は正しい。

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