衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2025年10月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

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衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2025年10月)

ここでは、2025年(令和7年)10月公表の過去問のうち「労働衛生:一般(有害業務に係るもの以外のもの)」の10問について解説いたします。
この過去問は、第1種衛生管理者、第2種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、特例第1種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2025年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2025年10月)
衛生管理者の過去問の解説:関係法令:一般(2025年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2025年10月)
◆衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2025年10月)



問11 WBGT(湿球黒球温度)に関する次の文中の[  ]内に入れるA及びBの語句の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。

「WBGTは、暑熱環境による熱ストレスの評価を行うための指標で、その値は次の式により算出される。
 日射がある場合:
 WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×[ A ]+0.1×[ B ]
 日射がない場合:
 WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×[ A ]」

(1)A:黒球温度 B:風速
(2)A:黒球温度 B:気温(乾球温度)
(3)A:風速 B:黒球温度
(4)A:気温(乾球温度) B:風速
(5)A:気温(乾球温度) B:黒球温度


答え(2)
WBGTは、「屋外で太陽照射のある場合」と「屋内の場合又は屋外で太陽照射のない場合」で計算方法が異なります。
「屋外で太陽照射のある場合」には、気温(乾球温度)を加味する必要があります。
なお、このときの気温(乾球温度)は、周りの風通しを妨げない状態で、ふく射熱による影響を受けないように感温部を囲って測定された乾球温度計が示す値となります。



問12 照明、採光などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)北向きの窓では、直射日光はほとんど入らないが一年中平均した明るさが得られる。
(2)全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の10分の1以下になるようにする。
(3)前方から明かりを取るときは、まぶしさをなくすため、眼と光源を結ぶ線と視線とがなす角度が、おおむね30°以上になるように光源の位置を決めるとよい。
(4)あらゆる方向から同程度の明るさの光がくると、見る物に影ができなくなり立体感がなくなるので、不都合な場合がある。
(5)部屋の彩色として、目の高さ以下は、まぶしさを防ぎ安定感を出すために濁色とし、目より上方の壁や天井は、明るい色を用いるとよい。


答え(2)
(1)(3)(4)(5)は正しい。
(2)は誤り。全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の10分の1以上になるようにします。「10分の1以下」とするのは誤りです。
全般照明と局部照明のバランスは、全般照明が局部照明の5分の1程度が適切とされています。



問13 事務室における必要換気量Q(m3/h)を算出する式として、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、AからDは次のとおりとする。

A 室内二酸化炭素濃度の測定値(ppm)
B 室内二酸化炭素基準濃度(ppm)
C 外気の二酸化炭素濃度(ppm)
D 在室者全員が1時間に呼出する二酸化炭素量(m3/h)

(1)Q ={ D /(A - B)}× 100
(2)Q ={ D /(A - C)}× 100
(3)Q ={ D /(B - C)}× 100
(4)Q ={ D /(A - B)}× 1,000,000
(5)Q ={ D /(B - C)}× 1,000,000


答え(5)
作業場内で衛生管理上、入れ替える必要がある空気量を必要換気量といい、1時間の空気量で表します。
必要換気量の計算式は「在室者全員が1時間に呼出する二酸化炭素量」「室内二酸化炭素基準濃度」から「外気の二酸化炭素濃度」で引いたもので割って求めます。
また、二酸化炭素濃度は、百分率の「ppm」のほか百万分率の「%」で表します。
必要換気量の算出時に、二酸化炭素濃度がppmの場合は1,000,000を掛けますが、の場合は100を掛けます。



問14 厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づくメンタルヘルスケアの実施に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)心の健康づくり計画の実施に当たっては、メンタルヘルス不調を未然に防止する「一次予防」、メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援等を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。
(2)プライバシー保護の観点から、衛生委員会や安全衛生委員会において、ストレスチェック制度に関する調査審議とメンタルヘルスケアに関する調査審議を関連付けて行うことは避ける。
(3)「セルフケア」とは、労働者自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスを予防、軽減する、あるいはこれに対処することである。
(4)心の健康問題を抱える労働者に対して、健康問題以外の観点から評価が行われる傾向が強いという問題があることに留意する。
(5)労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織等の要因によって影響を受ける可能性があるため、人事労務管理部門と連携するようにする。


答え(2)
(1)(3)(4)(5)は適切である。
(2)は適切でない。ストレスチェック制度とメンタルヘルスケアは、密接に関係するため、それぞれの調査審議は、衛生委員会等において関連付けて行うことが望ましいとされています。「関連付けて行うことは避ける」というのは誤りです。



問15 厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づく健康保持増進対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)健康保持増進措置は、主に生活習慣上の課題を有する労働者の健康状態の改善を目指すために個々の労働者に対して実施するものと、事業場全体の健康状態の改善や健康保持増進に係る取組の活性化等、生活習慣上の課題の有無に関わらず労働者を集団として捉えて実施するものがある。
(2)健康保持増進に関する課題の把握や目標の設定等においては、労働者の健康状態等を客観的に把握できる数値を活用することが望ましい。
(3)健康測定の結果に基づき行う健康指導には、運動指導、メンタルヘルスケア、栄養指導、口腔(くう)保健指導、保健指導が含まれる。
(4)健康保持増進対策の推進に当たっては、事業者が労働者等の意見を聴きつつ事業場の実態に即した取組を行うため、労使、産業医、衛生管理者等で構成される衛生委員会等を活用する。
(5)医療保険者と連携したコラボヘルス等の労働者の健康保持増進対策を推進するためであっても、定期健康診断の結果の記録等、労働者の健康状態等が把握できる客観的な数値等を医療保険者に提供してはならない。


答え(5)
(1)(2)(3)(4)は適切。
(5)は適切でない。データヘルス(医療データを活用した健康管理)やコラボヘルス(事業者と医療保険者が連携して行う健康づくり)等の労働者の健康保持増進対策を推進するため、定期健康診断の結果の記録等、労働者の健康状態等が把握できる客観的な数値等を医療保険者に共有することが必要です。



問16 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、ボツリヌス菌によるものがある。
(2)感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌によるものがある。
(3)O-157やO-111は、ベロ毒素を産生する大腸菌で、これらによる食中毒は、腹痛や出血を伴う水様性の下痢などの症状を呈する。
(4)ノロウイルスの失活化には、煮沸消毒又は塩素系の消毒剤が効果的である。
(5)魚、チーズなどに含まれるヒスチジンが細菌により分解されて生成するヒスタミンは、加熱により分解される。


答え(5)
(1)(2)(3)(4)は正しい。
(5)は誤り。ヒスタミンは熱に強く、加熱しても分解されにくいため、食中毒対策としては鮮度管理が鍵です。



問17 虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)運動負荷心電図検査は、心筋の異常や不整脈の発見には役立つが、虚血性心疾患の発見には有用でない。
(2)虚血性心疾患は、狭心症と心筋梗塞とに大別される。
(3)狭心症は、心臓の血管の一部の血流が一時的に悪くなる病気である。
(4)心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が長時間続き、1時間以上になることもある。
(5)狭心症の痛みの場所は、心筋梗塞とほぼ同じであるが、その発作が続く時間は、通常数分程度で、長くても15分以内におさまることが多い。


答え(1)
(1)は誤り。運動負荷心電図検査は、運動負荷を加えた状態で心電図の変化をみる検査で、安静時心電図では診断が困難な狭心症など、虚血性心疾患などの発見に有用です。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問18 骨折及びその救急処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)開放骨折のことを複雑骨折という。
(2)複雑骨折は、感染が起こりやすく治りにくい。
(3)骨折部を副子で固定するときには、骨折した部分が変形していても、そのままの状態を保持して、直近の関節部を含めた広い範囲を固定する。
(4)単純骨折とは、骨にひびが入った状態のことをいう。
(5)完全骨折では、骨折端どうしが擦れ合う軋轢(あつれき)音が認められることがある。


答え(4)
(1)(2)(3)(5)は正しい。
(4)は誤り。骨にひびの入った状態を不完全骨折といい、骨が完全に折れている状態を完全骨折といいます。



問19 労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、これは発生率と同じ意味で用いられる。
(2)集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
(3)ばらつきをもって分布するデータの代表値として、平均値、中央値などがあるが、どの代表値を選択するかは、データの内容と分布による。
(4)ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。
(5)病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数100万時間当たりの疾病休業件数で示される。


答え(1)
(1)は誤り。有所見率は、ある時点での検査で異常があった人の割合で、発生率は、一定期間内に疾病が発生した人の割合なので、意味が異なります。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問20 BMIに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)BMIは肥満や低体重(痩せ)の判定に用いられる指数で、この数値が大きいほど肥満の傾向があり、小さいほど痩せの傾向がある。
(2)BMIによる肥満度の判定基準には、男性と女性とで同一の数値が用いられる。
(3)BMIは、内臓脂肪の重量と直線的な比例関係にある。
(4)BMIが22になる場合の体重は、標準体重といわれる。
(5)BMIが18.5以上25未満の範囲となる場合の体重は、普通体重といわれる。


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は正しい。
(3)は誤り。BMIは「体重」「身長」だけで決まる指標です。内臓脂肪の重量と直線的な比例関係にあるとはいえません。

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