衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2016年4月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

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衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2016年4月)

ここでは、2016年(平成28年)4月公表の過去問のうち「労働生理」の10問について解説いたします。
この過去問は、第一種衛生管理者、第二種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、特例第一種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2016年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2016年4月)
衛生管理者の過去問の解説:関係法令:一般(2016年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2016年4月)
衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2016年4月)



問21 呼吸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)呼吸運動は、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋が収縮と弛(し)緩をすることで胸腔内の圧力を変化させ、肺を受動的に伸縮させることにより行われる。
(2)横隔膜が下がり、胸腔の内圧が低くなるにつれ、鼻腔や気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。
(3)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。
(4)呼吸に関与する筋肉は、間脳の視床下部にある呼吸中枢によって支配されている。
(5)身体活動時には、血液中の二酸化炭素分圧の上昇などにより呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。


答え(4)
(4)は誤り。呼吸に関与する筋肉は、『延髄』にある呼吸中枢によって支配されています。『視床下部』ではありません。
(1)(2)(3)(5)は正しい。



問22 下図は、血液循環の経路を模式的に表したものであるが、図中の血管ア~カを流れる血液に関する(1)~(5)の記述のうち、誤っているものはどれか。

問23図

(1)血管ア及び血管イはいずれも動脈であるが、血管アには静脈血が流れる。
(2)血管ア~カを流れる血液のうち、酸素が最も多く含まれる血液は、血管イを流れる血液である。
(3)血管ウを流れる血液には、血管イを流れる血液に比べて二酸化炭素が多く含まれる。
(4)血管カを流れる血液には、血管エを流れる血液に比べて尿素が多く含まれる。
(5)血管ア~カを流れる血液のうち、食後、ブドウ糖が最も多く含まれる血液は、血管オを流れる血液である。


答え(4)
(4)は誤り。血管カは腎静脈で、血管エは肝静脈です。生体活動に伴い、人体に有害なアンモニアが産生され血液中に放出されます。このアンモニアは肝臓で人体に無害の尿素に変えられ血液中に放出されます。尿素は腎臓でろ過され、尿として排泄されます。したがって、『血管エ』を流れる血液には、『血管カ』を流れる血液に比べて尿素が多く含まれることになります。
(1)(2)(3)(5)は正しい。



問23 神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起から成り、シナプスともいわれる。
(2)中枢神経系には脳と脊髄が、末梢神経系には体性神経と自律神経がある。
(3)体性神経は、運動及び感覚に関与し、自律神経は、呼吸、循環などに関与する。
(4)大脳の皮質は、神経細胞の細胞体が集まっている灰白質で、感覚、思考などの作用を支配する中枢として機能する。
(5)交感神経及び副交感神経は、同一器官に分布していても、その作用はほぼ正反対である。


答え(1)
(1)は誤り。神経細胞は『シナプス』ではなく、『ニューロン』ともいわれます。ちなみにシナプスとは、軸索の末端部分にあって、別の神経細胞に情報を伝達する部位をいいます。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問24 脂肪の分解・吸収及び脂質の代謝に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)胆汁は、アルカリ性で、消化酵素は含まないが、食物中の脂肪を乳化させ、脂肪分解の働きを助ける。
(2)脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である膵アミラーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸の絨(じゅう)毛から吸収される。
(3)肝臓は、コレステロールとリン脂質を合成し、また、余剰の蛋(たん)白質と糖質を中性脂肪に変換する。
(4)コレステロールやリン脂質は、細胞膜の成分となる。
(5)脂質は、糖質や蛋白質に比べて多くのATPを産生するエネルギー源となるが、摂取量が多すぎると肥満の原因となる。


答え(2)
(2)は誤り。脂肪は、膵臓から分泌される消化酵素である『膵リパーゼ』により脂肪酸とグリセリンに分解されて、小腸の絨毛から吸収されます。『膵アミラーゼ』ではありません。
(1)(3)(4)(5)は正しい。



問25 腎臓又は尿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。
(2)血中の蛋白質は、糸球体からボウマン嚢に濾し出される。
(3)血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢に濾し出される。
(4)原尿中に濾し出された電解質の多くは、ボウマン嚢から血中に再吸収される。
(5)原尿中に濾し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。


答え(3)
(1)は誤り。血中の老廃物は、『糸球体』からボウマン嚢に濾し出されます。『尿細管』からではありません。
(2)は誤り。血中の蛋白質は、ボウマン嚢に濾し出されません。
(3)は正しい。
(4)は誤り。原尿中に濾し出された電解質の多くは、『尿細管』から血中に再吸収されます。『ボウマン嚢』からではありません。
(5)は誤り。原尿中に濾し出された水分の大部分は、尿細管から血中に再吸収されます。そのまま尿として排出されるわけではありません。



問26 血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)血液は、血漿(しょう)と有形成分から成り、血液の容積の55%程度を占める血漿中には、アルブミン、グロブリンなどの蛋白質が含まれている。
(2)血液の容積に対する赤血球の相対的容積をヘマトクリットという。
(3)骨髄中で産生される赤血球の寿命は、約120日で、白血球の寿命に比べて長い。
(4)白血球の一成分であるリンパ球には、Bリンパ球、Tリンパ球などがあり、免疫反応に関与している。
(5)ある人の血液中のフィブリン(線維素)と別の人の血清中のフィブリノーゲン(線維素原)との間で生じる反応を血液の凝集という。


答え(5)
(5)は誤り。血液の凝集とは、赤血球中の凝集原と血清の凝集素との間の反応です。
(1)(2)(3)(4)は正しい。



問27 感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)内耳は、前庭、半規管及び蝸(か)牛から成り、蝸牛が平衡感覚をつかさどっている。
(2)皮膚感覚には、触圧覚、痛覚、温度感覚(温覚・冷覚)などがあり、これらのうち冷覚を感じる冷覚点の密度は、他の感覚点に比べて大きい。
(3)網膜には色を感じる錐(すい)状体と、明暗を感じる杆(かん)状体の2種類の視細胞がある。
(4)眼軸が長過ぎるために、平行光線が網膜の前方で像を結ぶ状態は、遠視である。
(5)嗅覚は、わずかな匂いでも感じるほど鋭敏で、同じ臭気に対しても疲労しにくい。


答え(3)
(1)は誤り。前庭及び半規管が平衡感覚をつかさどり、蝸牛は聴覚をつかさどります。
(2)は誤り。皮膚における感覚点の中では、痛覚点が最も密度が大きく、体のいたるところに分布しています。
(3)は正しい。
(4)は誤り。この状態は『遠視』ではなく『近視』です。遠視では近くのものも遠くのものも見えにくくなりますが、近視では遠くのものが見えにくくなります。
(5)は誤り。嗅覚は、わずかな匂いでも感じるほど鋭敏で、容易に疲労してその臭気に慣れてしまい、感覚を失うようになります。



問28 ホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
[A]=ホルモン、[B]=内分泌器官、[C]=はたらき

(1)[A]コルチゾール  [B]副腎皮質 [C]血糖量の増加
(2)[A]アルドステロン [B]副腎皮質 [C]体液中の塩類バランスの調節
(3)[A]メラトニン   [B]副甲状腺 [C]体内のカルシウムバランスの調節
(4)[A]インスリン   [B]膵臓   [C]血糖量の減少
(5)[A]グルカゴン   [B]膵臓   [C]血糖量の増加


答え(3)
(3)は誤り。メラトニンの場合ですと、正しくは『[A]メラトニン[B]松果体[C]睡眠、性腺刺激ホルモンの分泌抑制』となります。松果体(しょうかたい)は、脳にある組織です。
(1)(2)(4)(5)は正しい。



問29 筋肉に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)筋肉中のグリコーゲンは、酸素が十分に与えられると完全に分解され、最後に乳酸になる。
(2)筋肉の縮む速さが速ければ速いほど、仕事の効率は大きい。
(3)強い力を必要とする運動を続けていても、筋肉を構成する個々の筋線維の太さは変わらないが、その数が増えることによって筋肉が太くなり筋力が増強する。
(4)人が直立しているとき、姿勢保持の筋肉には、常に等張性収縮が生じている。
(5)長時間の姿勢維持を伴うVDT作業などでは、持続的な筋収縮を必要とする等尺性収縮が主体となるため、血行不良や筋疲労が生じやすい。


答え(5)
(1)は誤り。筋肉中のグリコーゲンは、酸素が十分に与えられると、大量の『アデノシン三りん酸』と『二酸化炭素』と『水』に完全に分解されます。
(2)は誤り。筋肉の縮む速さが大きければ、仕事の効率が上昇する訳ではありません。筋肉の縮む速さが適当なときに、仕事の効率は最も大きくなります。
(3)は誤り。強い力を必要とする運動を続けていると、1本1本の筋線維が太くなるので、筋力が増加します。運動を行っても筋線維の数は、大人になってからは増えないとされています。
(4)は誤り。人が直立しているとき、姿勢保持の筋肉には、その長さが変わらない筋収縮である『等尺性収縮』が生じています。『等張性収縮』ではありません。
(5)は正しい。



問30 ストレスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)外部からの刺激であるストレッサーは、その強弱にかかわらず、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動を抑圧する。
(2)ストレスに伴う心身の反応には、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのカテコールアミンや副腎皮質ホルモンが深く関与している。
(3)昇進、転勤、配置替えなどがストレスの原因となることがある。
(4)職場環境における騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因となることがある。
(5)ストレスにより、自律神経系と内分泌系のバランスが崩れ、精神神経科的疾患又は内科的疾患が生じる場合がある。


答え(1)
(1)は誤り。ストレッサーは、その強弱にかかわらず、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動を『亢進』することになります。『抑圧』ではありません。
(2)は正しい。副腎皮質ホルモンとしては、コルチゾールが有名で、ストレスにより多量に分泌されると血圧を上昇させ、興奮状態にする作用があります。
(3)は正しい。このような人事労務に関する環境の変化もストレスの原因となり得ます。
(4)は正しい。このような物理、化学的要因も職場でのストレス要因となることがあります。
(5)は正しい。精神神経科的疾患としては抑うつ、神経症など、内科的疾患としては高血圧症、心疾患、胃腸障害などが生じることがあります。

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