衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2015年10月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

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衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2015年10月)

ここでは、2015年(平成27年)10月公表の過去問のうち「関係法令:有害(有害業務に係るもの)」の10問について解説いたします。
この過去問は、第一種衛生管理者、特例第一種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、第二種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2015年10月)
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衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2015年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2015年10月)



問1 常時800人の労働者を使用する製造業の事業場における衛生管理体制に関する(1)~(5)の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、800人中には、製造工程において次の業務に常時従事する者がそれぞれに示す人数含まれており、試験研究の業務はないものとする。

深夜業を含む業務 550人
多量の高熱物体を取り扱う業務 100人
特定化学物質のうち第三類物質を製造する業務 60人

(1)総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
(2)衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければならない。
(3)衛生管理者のうち少なくとも1人を、専任の衛生管理者として選任しなければならない。
(4)産業医は、この事業場に専属の者ではないが、産業医としての法定の要件を満たしている医師のうちから選任することができる。
(5)特定化学物質作業主任者を選任しなければならない。


答え(4)
(1)は正しい。常時300人以上の労働者を使用する製造業の事業場では、総括安全衛生管理者を選任しなければなりません。
(2)は正しい。常時500人を超える労働者を使用する事業場で、多量の高熱物体を取り扱う業務などに常時30人以上の労働者を従事させる事業場では、衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければなりません。
(3)は正しい。常時500人を超える労働者を使用する事業場で、多量の高熱物体を取り扱う業務などに常時30人以上の労働者を従事させる事業場では、衛生管理者のうち少なくとも1人を、専任の衛生管理者として選任しなければなりません。
(4)は誤り。深夜業を含む業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、産業医は、その事業場に専属の者でなければなりません。
(5)は正しい。特定化学物質を取り扱う事業場においては、事業場の規模、業種、その類にかかわらず、特定化学物質作業主任者を選任しなければなりません。ただし、試験研究のため取り扱う作業を除きますが、問題文では「試験研究の業務はないものとする。」とありますので、この例外は適用されません。



問2 次のAからDまでの作業について、法令上、作業主任者の選任が義務付けられているものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

A 飼料の貯蔵のために使用しているサイロの内部における作業
B 製造工程において硫酸を用いて行う洗浄の作業
C セメント製造工程においてセメントを袋詰めする作業
D 水深10 m以上の場所における潜水の作業

(1)A,B
(2)A,C
(3)A,D
(4)B,C
(5)C,D


答え(1)
Aは正しい。この作業は、酸素欠乏危険場所における作業における作業なので、酸素欠乏危険作業主任者の選任が義務付けられています。
Bは正しい。この作業は、特定化学物質の取扱い作業なので、特定化学物質作業主任者の選任が義務付けられています。
C,Dは誤り。



問3 厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当しないものは、次のうちどれか。

(1)潜水器
(2)化学防護服
(3)一酸化炭素用防毒マスク
(4)ろ過材及び面体を有する防じんマスク
(5)排気量40 cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー


答え(2)
(2)は誤り。化学防護服は、石綿、放射性物質など有害性の高い物質が発生する場所で着用する服のことです。
(1)(3)(4)(5)は正しい。



問4 特定化学物質障害予防規則による特別管理物質を製造する事業者が事業を廃止しようとするとき、法令に基づき実施した措置等に関する次のAからEまでの記録等について、特別管理物質等関係記録等報告書に添えて、所轄労働基準監督署長に提出することが、法令上、義務付けられているものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

A 特別管理物質を製造する作業場所に設けられた局所排気装置の定期自主検査の記録又はその写し
B 特別管理物質の粉じんを含有する気体を排出する製造設備の排気筒に設けられた除じん装置の定期自主検査の記録又はその写し
C 特別管理物質を製造する作業場において常時作業に従事した労働者の氏名、作業の概要及び当該作業に従事した期間等の記録又はその写し
D 特別管理物質を製造する屋内作業場について行った作業環境測定の記録又はその写し
E 特別管理物質を製造する業務に常時従事する労働者に対し行った特定化学物質健康診断の結果に基づく特定化学物質健康診断個人票又はその写し

(1)A,B,D
(2)A,B,E
(3)A,C,E
(4)B,C,D
(5)C,D,E


答え(5)
A,Bは誤り。これら定期自主検査は、1年以内ごとに1回行い、その記録を3年間保存することが定められています。しかし、行政官庁への提出は義務付けられていません。
C,D,Eは正しい。



問5 酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

(1)第一種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素の濃度を測定しなければならない。
(2)第二種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定しなければならない。
(3)酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態をいう。
(4)酸素欠乏危険作業を行う場所の換気を行うときは、純酸素又は新鮮な外気を使用しなければならない。
(5)酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければならない。


答え(4)
(4)は誤り。この場合、純酸素を用いた換気を行ってはなりません。純酸素とは酸素濃度が約100%の酸素のことで、これを使用すると酸素中毒を起こすことがあるので注意が必要です。
(1)(2)(3)(5)は正しい。



問6 屋内作業場において第一種有機溶剤等を使用して有機溶剤業務を行う場合の措置として、法令上、正しいものは次のうちどれか。
ただし、有機溶剤中毒予防規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。

(1)有機溶剤業務に常時従事する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、有機溶剤等健康診断を行う。
(2)有機溶剤業務を行う作業場所に設けた局所排気装置について、2年を超える期間使用しない場合を除き、2年以内ごとに1回、定期自主検査を行い、その結果を記録し3年間保存する。
(3)作業中の労働者が、有機溶剤等の区分を容易に知ることができるよう、見やすい場所に、赤色及び「第一種有機溶剤等」の文字の表示をする。
(4)第一種衛生管理者免許を有する者のうちから有機溶剤作業主任者を選任する。
(5)有機溶剤業務を行う屋内作業場について、有機溶剤作業主任者に、6か月以内ごとに1回、定期に、作業環境測定を実施させる。


答え(3)
(1)は誤り。定期の有機溶剤等健康診断の頻度は、6月以内ごとに1回です。
(2)は誤り。この局所排気装置について、1年を超える期間使用しない場合を除き、1年以内ごとに1回、定期自主検査を行い、その結果を記録し3年間保存します。
(3)は正しい。
(4)は誤り。有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから、有機溶剤作業主任者を選任しなければなりません。
(5)は誤り。有機溶剤業務を行う屋内作業場については、作業環境測定士に、作業環境測定を実施させなければなりません。



問7 粉じん障害防止規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。

(1)屋内の特定粉じん発生源については、その区分に応じて密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置若しくは湿潤な状態に保つための設備の設置又はこれらと同等以上の措置を講じなければならない。
(2)常時特定粉じん作業を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行い、測定結果等を記録して、これを7年間保存しなければならない。
(3)特定粉じん発生源の局所排気装置に、法令に基づき設ける除じん装置は、粉じんの種類がヒュームとヒューム以外の場合に応じて、除じん方式が定められている。
(4)特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場については、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
(5)粉じん作業を行う屋内の作業場所については、特定粉じん作業の場合は毎日1回以上、特定粉じん作業以外の粉じん作業の場合は毎週1回以上、清掃を行わなければならない。


答え(5)
(5)は誤り。「特定粉じん作業の場合」も「特定粉じん作業以外の粉じん作業の場合」も、毎日1回以上、清掃を行わなければなりません。
(1)(2)(3)(4)は正しい。



問8 有害業務を行う作業場について、法令に基づき、定期に行う作業環境測定と測定頻度との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

(1)非密封の放射性物質を取り扱う作業室における空気中の放射性物質の濃度の測定
・・・・・・・・・・・・ 6か月以内ごとに1回
(2)チッパーによりチップする業務を行う屋内作業場における等価騒音レベルの測定
・・・・・・・・・・・・ 6か月以内ごとに1回
(3)通気設備が設けられている坑内の作業場における通気量の測定
・・・・・・・・・・・・ 半月以内ごとに1回
(4)鉛蓄電池の解体工程において鉛等を切断する業務を行う屋内作業場における空気中の鉛の濃度の測定
・・・・・・・・・・・・ 1年以内ごとに1回
(5)多量のドライアイスを取り扱う業務を行う屋内作業場における気温及び温度の測定
・・・・・・・・・・・・ 半月以内ごとに1回


答え(1)
(1)は誤り。放射性物質を取り扱う作業室における空気中の放射性物質の濃度の測定は、1月以内ごとに1回、作業環境測定を実施しなければなりません。
(2)(3)(4)(5)は正しい。



問9 次の化学物質のうち、労働安全衛生法により、製造し、輸入し、譲渡し、提供し、又は使用することが、原則として禁止されているものはどれか。

(1)オーラミン
(2)ベンジジン及びその塩
(3)ジクロルベンジジン及びその塩
(4)オルト-トリジン及びその塩
(5)五酸化バナジウム


答え(2)
(1)は誤り。オーラミンは、特定化学物質の第二類物質です。
(2)は正しい。他にも、4-アミノジフェニル、ベータ-ナフチルアミンなどが製造等禁止物質に該当します。
(3)は誤り。ジクロルベンジジン及びその塩は、特定化学物質の第一類物質で、製造許可物質です。
(4)は誤り。オルト-トリジン及びその塩は、特定化学物質の第一類物質で、製造許可物質です。
(5)は誤り。五酸化バナジウムは、特定化学物質の第二類物質です。



問10 労働基準法に基づき、満18歳に満たない者を就かせてはならない業務に該当しないものは次のうちどれか。

(1)異常気圧下における業務
(2)超音波にさらされる業務
(3)多量の高熱物体を取り扱う業務
(4)著しく寒冷な場所における業務
(5)強烈な騒音を発する場所における業務


答え(2)
(2)は誤り。超音波とは、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波のことです。超音波は、とても細かい振動周期を持ちますので、金属加工部品の油脂や研磨剤の洗浄などに用いられます。
(1)(3)(4)(5)は正しい。

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